>>TOPへ戻る


 



 女流建築家の草分けとして知られる林雅子。
 住宅を中心に、オフィスビル、ギャラリーなど、様々な作品に共通するのは、空間のダイナミックさ。本人が常々口にしていた「空間の骨格」というキーワードがまさに当てはまる、理論的な明快さです。
 もっとも、それはあくまで人の居場所や居心地を考え抜いた上でのものであることを忘れてはいけません。
 本特集は、そんな林雅子の建築家としての特質を、さまざまな作品の紹介と、林昌二氏、古谷誠章氏、石堂威氏等、彼女自身や作品に触れたことのある人々の貴重な証言によって余すところなく伝えます。


特集「林雅子という建築家」より。写真の建築は「海のギャラリー」(設計=林雅子 林・山田・中原設計同人)

   


林 雅子 略歴
1928年北海道旭川生まれ。1951年日本女子大学家政学部生活芸術科住居専攻を卒業。東京工業大学建築系研究生清家研究室所属。1953年女性建築家集団PoDoKo結成に加わる。1955年林昌二と結婚。1958年林、山田、中原設計同人設立。1985年アメリカ建築家協会名誉会員。1987年〜89年日本建築学会理事。日本女子大学家政学部住居学科、東京大学工学部建築学科、桑沢デザイン研究所などの非常勤講師をつとめる。2001年1月9日逝去。
主な著書に、「林雅子のディテール 空間の骨格」(
彰国社)、「障子の本」(同和製紙株式会社)、「新・空間の骨格 林雅子のディテール2」(彰国社)がある。主な受賞は、1981年日本建築学会作品賞「一連の住宅作品」対象。1981年第3回エイボン女性年度賞芸術賞。1986年第11回吉田五十八賞。



 


 


2006年7月号 目次
特集 林雅子という建築家

巻頭論
融通無碍の自由さ−相違する無数の居心地が並存する家
  ……古谷誠章

林雅子のつくるすまいと空間
《すまいづくりの原点》
Oさんのすまい―1952年
清家清研究室時代の処女作

O夫人のすまい―1953年
磨き丸太の小屋梁を現しとした艶のあるすまい

平らな屋根のすまい(私たちの家・1期)―1956年
シンプルな生活を楽しむ練られたプラン

私たちの家・2期―1978年
暮らしの歴史と環境の変化に対応したアクロバティックな増改築

《単純明快でたおやかな空間》
草崎クラブ―1964年
電柱丸太を使った合掌がつくる三角形の大空間

末広がりの家―1965年
丸太の小屋組がつくる骨太の空間

霞ヶ浦の家―1970年
複雑な木構造と暮らしを楽しむすまい

崖の家―1975年
崖地を活かし大きく跳ね出す空中に浮くすまい

ギャラリーをもつ家―1983年
南北に大きく跳ね出す住空間

《躍動する〈近代〉を表現した空間》
門構えのオフィスビル――1963年
瓦屋根を載せた長屋門のオフィスが都市的風景を生成

海のギャラリー――1966年
厳しい環境に耐える大胆な構造で、海中を繊細に表現

三泉寮(日本女子大学軽井沢寮)――1979年
森に囲まれた鉄トラスを現しにした大空間

浜口ミホという存在―戦前・戦後をつなぐ視点から
 ……宮内嘉久

座談会
「空間の骨格」という思想の林雅子流
―論理的な構造と直観力がつくる空間
 ……林昌二×石堂威×平良敬一

[今月の2題]
金山町きごころ橋
  設計=片山和俊+DIK設計室
湖北白ばら幼稚園
 設計=アトリエ・ヨシダ 構造設計=増田建築構造事務所

平成18年東京建築士会〈住宅建築賞〉報告
“生活”という今日的なデザインテーマをどう考えるか
 ……鴛海浩康、藤本壮介他

連載
世界の集落めぐり 第2回 ドイツ・フロイデンベルク
 ……文・写真=太田邦夫
時を超えて生きる 第7回
町の歴史を見守ってきた土蔵を記念館に  芭蕉の館
  ……文=中森勉
新田園都市実験 第2回
 ……文=齊木崇人

書評
イベント・ニュース
プロフィール
次号予告
バックナンバー




   


>>TOPへ戻る