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今号から本誌は、住宅の作例紹介を中心にした特集と、技術的なテーマの特集による二段構えの構成になります。


近代化の過程において明るい住環境が求められるにつれ、無機質で均一な空間がつくられつつあります。しかしこのままでは日本建築がかつて持っていた陰翳の文化が喪失される可能性があります。そこで本特集では、暗さと明るさが共存する厚みをもった空間など、対比的構造をもった力強い空間を紹介します。
特集の巻頭論「余韻と沈黙」では、現代的な「和」のあり方を追及してきた建築家・出江寛が、空間の本質について論じます。続いて紹介する建築家・二井清治の住宅4軒のうち、修業時代に所属していた坂倉建築研究所の仕事として紹介する「高野街道の家」では、師匠にあたる建築家・西澤文隆の住まいのディテールへの考え方が読み取ることができます。そして近作3軒の紹介とともに空間に裏付けられた素材や寸法に迫り、陰翳空間の思想とディテールの関係を考察します。
他にも若手建築家の作品を取り上げたり、香山寿夫、堀部安嗣の両氏によるコラムを紹介したりと、充実した内容になっています。



本シリーズは、身近にある技術の見方を変えることで可能性を広げようという意欲的かつ実用的な企画です。今回は、その第一弾。
2000年に建築基準法の防火規定が性能規定化されたことにより、試験や計算により規準をクリアすれば、どのような材料、構法でも認められることになり、木造建築の可能性が大きく広がりました。そこで、様々な実例を取り上げながら、木造による防耐火建築の考え方と、その実践について詳しく解説します。



特集1「対比の構造・陰翳の空間>より。「桜塚の家」(設計=二井清治建築研究所、写真=松村芳治)
 

 


   



 


 


2008年2月号 目次

第1特集 
対比の構造・陰翳の空間
素材の選定とディテール

出江寛
余韻と沈黙 閑寛居

二井清治
高野街道の家
坂倉建築研究所時代の仕事から
――西澤文隆に学んだ基礎

桜塚の家
躯体フレームが生み出す列柱と都市生活の空間構造

津山の家
素材と寸法から解き出される濃密な空間

紀州街道の家
増築を繰り返したように折り重なる空間

詳細図集
対談:空間の質を決める素材と寸法のルール
 ……二井清治×荒谷省午

ディテールに潜む強迫観念
 ……宮本佳明

TRAPEZOID 荒谷省午建築研究所
垂直に貫くウォイドと水平に分断された4層の空間

上目黒の家
 アーキテクトカフェ・田井幹夫建築設計事務所
狭い敷地に5層の空間を重ねた快適な暮らし 
最上階の浴室で開放感を味わう

小山の家  長坂大/Mega
風景を切り取る重厚な外壁と軽やかな内部空間

ルイス・カーンの建築が語る光と素材の関係
 ……香山壽夫

良い壁をつくることが良い開口部に繋がる
 ……堀部安嗣

第2特集 木造でもできる防耐火建築の技術
伝統木造から木質耐火構造まで

1.木造防耐火建築の潮流と可能性/
 木造の防耐火技術とは何か
 ……長谷見雄二
2.伝統木造でつくる防火・準耐火構造の町家
 ……安井昇
3.被覆型木質耐火構造
 ……泉潤一、飯山道久
4.集成木造型木質耐火
 金沢エムビル/下馬共同住宅プロジェクト
5.各部位の防火工法・防災設備

特別記事
林雅子の美しが丘の家を訪ねて
愛情を注がれ住みこなされた住まいの25年と、これから
 ……文=永田昌民、写真=大橋富夫

連載
アジアの集落――その暮らしと空間 第7回
イバン族のロングハウス 
プソー村・セリオン村:マレーシア・ボルネオ島
 文=森川倫子・平田智隆、写真=栗原宏光

まちと建築を再生する 第5回
熊谷の魅力的な川沿いを歩く
 ……文=鈴木喜一・石井瑞穂、写真=畑亮

伝統技法を活用した自由な現代木構法 第8回
間伐材構造の提唱(その一)
 ……増田一眞


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