『住宅建築』3月号は、伝統的な木造からアバンギャルド建築まで、そのつくり方に、とことんこだわりました。

建築家で筑波大学教授の安藤邦廣が「四寸角」というキーワードを打ち出したのは、今から17年前、本誌1991年4月号のことでした(「住まいを四寸角で考える」)。
ここでいう「四寸角」とは、広く流通している規格材である国産杉の四寸角材を構造材として使い一寸の厚板を落とし込んでつくる、現代住居としての板倉のこと。
本来は製材寸法を意味する単語ですが、その素っ気ないほどの言葉の短さとは裏腹に、木材流通・住様式・都市と地域居住など実にさまざまな問題を孕んでいます。
「四寸角」は十七年の時をかけて、あまたの山を、田舎を、時には街を訪ね、さまざまな建主との邂逅を経て、そして今、生まれ故郷である里山にかえってきました。
原点に戻った現代の板倉が私たちに語りかける、これからの都市、地域居住の形を、構法やライフスタイルも含めて考察します。

特集1「特集 四寸角、里山にかえる」より。木軸落し板構法の実例を詳細図とともに紹介
|
|
安藤邦廣(あんどう・くにひろ)略歴
1948年宮城県生まれ。1973年九州芸術工科大学芸術工学部環境設計学科卒業。東京大学工学部建築学科助手を経て、筑波大学大学院人間総合科学研究科教授

「100%自然素材」とうたわれた建材をよく目にします。
それらは大まかに、木材のような素材そのものと、自然素材を原料に用いつつ建材として適合させるため加工・調整した工業製品とに分けられます。
その境い目は曖昧ですが、かといって全てを同じ「自然素材」というくくりで語るのは、いささか乱暴ではないかと『住宅建築』は考えました。
そこで本特集は、まずエコロジー塗料のスペシャリストである鈴木光明氏に自然素材の定義を再確認した上で、建築家の高橋昌巳氏と加藤武志氏に、自然素材派と自然素材に近い工業製品=エコ素材派の代表になってもらい、それぞれの設計した住宅をケーススタディとして、建築の各部位にどのような材料をどのような基準で選んでいるか、自然素材、エコ素材を選ぶことのメリットとデメリットは何か、そしてそれぞれの施工上の注意を解説してもらいます。

特集2「自然素材orエコ素材? 私がこれを選ぶ理由」より。各部位の選び抜かれた材料について、その特徴と施工上の注意点を詳しく解説
|
|

「ハンカイ」ハウスとは、建築家の宮本佳明が設計した、阪神大震災で半壊を受けた築90年の母屋の修復住宅の名前。震災前にあった長屋門のイメージを継承し、門型ボリュームが既存母屋を取り囲む、独特のかたちをしています。
この「ハンカイ」ハウスを初め、宮本佳明が手がけてきた仕事の中から、ディテールや技術を抽出。仕事に関わった現場監督や棟梁、鉄工所の職人、照明家など、様々な現場からの声を交えて紹介しています。
|