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『住宅建築』4月号は、現代と過去を行き来しながら、住宅にとって適切な広さとは何かを考えます。


相続などによる住宅地の分割で、一戸当たりの建築面積が二ケタを割ることも珍しくなくなってきました。書店の住宅コーナーには「狭小住宅」と銘打った本がずらっと並んでいます。 そんな状況だからこそ、いま必要なのは、必要に迫られた対症療法としての小住宅ではなく、小さいからこそ獲得できる喜びに満ちた、あえて適切な規模を選択した結果としての小住宅ではないでしょうか。
本特集では、都市や郊外など様々な敷地における小住宅の実例と、その原点ともいえる優れた遺構の双方を検証することにより、いま我々にとって本当に必要な住宅の規模とは何かを考えます。


特集1「小さな住宅の大きな眼」より。神宮前の住宅(設計=フェリックス・クラウス+今村創平、写真=大橋富夫)
 



吉阪隆正(1917-1980)の代表作ともいえる「浦邸」(1956年)。この住宅の鮮やかな記憶と、色褪せない空間の魅力を、撮りおろしの写真とともに紹介しています。
「浦邸」は、フランス政府給付留学生として渡仏した建築家・吉阪隆正と、数学者・浦太郎との出会いに始まります。マルセイユ、そして帰国後日本で交わされた短くも濃密な時間がこの住宅に集結し、52年の時を経た今もなお、浦夫妻の手によって磨き上げられ、建築当初のまま、大切に住まわれています。設計者と建主との関係や住まいに対する姿勢について、改めて考え直してみたくなるような、二人の純粋な世界観が映し出されています。
今回は、建築家の野沢正光と吉阪隆正の弟子にあたる齊藤祐子の両氏が解説し、兵庫在住の建築家・吉本剛が齊藤と共に、建主である浦氏にインタビュー。貴重な証言を収録することができました。


特別記事『吉阪隆正の「浦邸」に宿る純粋な世界観』より。年月を経て重厚さを増した外観(写真=北田英治)
 



住まいの快適性を考える時、構造の安全性や、エネルギー供給(電気・ガス)は欠かせない要素です。
しかし、給排水設備は、計画や設計が後回しになり、工事も現場対応で進められることが多く、特に戸建て住宅の設計マニュアルの充実と精通が必要とされています。
給排水設備システムを考える時、住宅長寿命化をめざしたライフスタイルの変化に応じて対応できる水廻りの配管整備。そして水・ごみ資源の削減節水をめざす技術が求められます。 本特集では、サスティナブルな水環境を考える技術を、「上水の節水と排水の自己処理」と題して上水と雨水の利用、下水の処理技術を紹介。
また、提案型の作例として、自立型の住まい・環境共生型の住宅水環境として4人の設計者の作品を紹介します。


   



 


 


2008年4月号 目次

第1特集
小さな住宅の大きな眼

鼎談 小さな住宅を社会に位置づける
 塚本由晴・貝島桃代+今村創平

縦につながる10の小さな床
ハウス・タワー
 アトリエ・ワン

都市の中の小さな住宅
神宮前の住宅
 フェリックス・クラウス+今村創平

80坪の敷地に建てた10坪の住まい
五条山の家
 一見直人/一見設計工房

敷地12坪、建蔽率60%の住まい、肌に近い空間密度
経堂の家
 アンドウ・アトリエ/安藤和浩+田野恵利

レベルを変えながら連続する6つの小さな領域
西八王子の家
 伊藤寛アトリエ

楽しく暮らすためのシンプルで充実した空間
父と母の家
 アトリエガク/山本学

様々な居場所をもつ12坪のSOHO
笹塚の家
 中山薫+盛勝宣/FISH+ARCHITECTS

中庭を各室が囲む
江戸川の家
 佐藤健治/矩須雅建築研究所

木造モダニズム住宅への挑戦
豊多摩の家
 若原一貴/若原アトリエ

京都に学ぶ、小住宅のエッセンス
松花堂・頼山陽書斎山紫水明處
 ……馬場徹

鴨長明の方丈記とすまい
最小限を包容する環境を求めて
 ……齊木崇人

特別記事
数学者と建築家が構想した住居
吉阪隆正の「浦邸」に宿る純粋な世界観

奇跡の住宅「浦邸」
 ……野沢正光

延々と描かれたエスキスから生まれたひとつのカタチ
 ……齊藤祐子

浦太郎、美輪子夫妻に訊く「浦邸」誕生の瞬間
 ……インタビュアー:吉本 剛・齊藤祐子

第2特集
シリーズ・在来技術をカスタマイズする3
住宅の水環境――上水の節水と下水の処理技術

サステイナブルな給排水衛生設備とはなにか/
上水と雨水の利用技術/
下水処理とごみ処理技術
 ……大塚雅之

環境共生型の住宅水環境作例/
 安田滋アトリエ・番匠設計・丹呉明恭建築設計事務所・鈴木信宏

連載
アジアの集落――その暮らしと空間 第8回
山地ヒンドゥーの暮らし サッレ村・ネパール
 ……写真=栗原宏光 文=花岡さくら・藤井高広・田口雅

伝統技法を活用した自由な現代木構 第10回
間伐材構造の提唱(その三)
 ……増田一眞


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