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もっとも身近な材料でありながらもっとも設計者の伎倆が問われる木造。
本号では木造のシステムに対する取組みや、身近な技術で新しい空間に取り組んだ事例など、多様なアプローチを紹介します。



三澤文子〈木造という環境〉を見据えた25年

今から25年前、現代計画研究所に入所した三澤文子氏は、日本の木造を生産と構法から見直そうとする民家型構法の誕生に居合わせました。
それから木造をとりまく環境は、阪神大震災や京都議定書の採択、そして昨今の法規改正など、なおもめまぐるしく変わり続けてきています。
その渦中にいたからこその説得力のある木造住宅事例を、地域材の活用という視点から紹介します。

市居博〈杉の納屋〉構法の思想
──伝統構法とライフスタイルを融合した住宅デザイン──

建築家の市居博氏が現在つくり続けているのは、伝統構法の主要素である貫に着目し、柱・桁・貫、束と楔というシンプルな構成部材で、日本の節あり杉材を多用してつくるシーダ・バーン(杉の納屋)。
その簡素で無駄のないデザインは日本の民家に通ずるスタイルを保ちながら、時代や地域を越えた新しい木造スタイルを生み出しています。構法とデザインを融合したシーダ・バーンの展開とその思想を紹介します。

在来からの出発
手に入りやすい材料と在来の技術をベースにしながらも、少し発想をかえれば違ったものが見えてくるはず。
若手設計者と構造家の取組みを中心に、新しく魅力的な木質空間に取り組んだ事例を、様々な詳細図やインタビューで構成します。


第1特集「木造住宅の現在形」より。禅定庵(設計=三澤文子+Ms建築設計事務所、写真=市川かおり)
 




せっかく苦心したプランニングであっても、開口部廻りのデザインが良くなければ台無しになってしまいます。逆に言えば、開口部廻りのデザインをきちんとおさえるだけで、空間の印象はぐっと良くなるはず。 本特集では、建築家のオリジナルから木製サッシの新製品まで、建具の様々なタイプを取り上げながら、建具が空間に与える影響について検証します。


第2特集「建具・開口部が空間を決める」より。アイデアに満ちた伊礼智設計室の事例
 



   



 


 


2008年5月号 目次

第1特集
木造住宅の現在形

三澤文子〈木造という環境〉を見据えた25年

都市と里山、それぞれの視点で見つめた木造のかたち
 ……安藤邦廣×三澤文子

禅定庵
 三澤文子+Ms建築設計事務所

本巣の家
 三澤文子+坂崎有祐/NPO WOOD AC

天王寺の家
 三澤文子+Ms建築設計事務所

住宅を木造でつくることから見えてくるもの
 ……三澤文子

市居博〈杉の納屋(シーダ・バーン)〉構法の思想

現代にあって伝統という未開の荒野を拓く
 ……市居博

シーダ・バーン
 市居博/市居総合計画事務所

煉瓦塀の家
 市居博/市居総合計画事務所

三馬力1/2
 市居博/市居総合計画事務所

在来からの出発――新しい木質空間への試み

五日市K邸
 清水勝広/MS4D+名和研二/なわけんジム

杜の家
 丸橋浩+山口賢/アマテラス都市建築設計

積層の景色
 松野勉・相澤久美/ライフアンドシェルター社

Shelf-Pod/君府亭
 森田一弥建築設計事務所

インタビュー
魅力的な木造建築空間を創造するためのアプローチ
 ……満田衛資

身近な材料と小さな技術が切り拓く新しい木質空間
 ……陶器浩一

田園のコートハウス
 NOV建築工房

刈谷の広い縁側を持つ家
 NOV建築工房

第2特集
シリーズ・在来技術をカスタマイズするC
建具・開口部が空間を決める

建具の向こうとこちら側の関係
/ブラインドの生地を利用した建具
/矩折りの開口部に使える回転障子 ほか
 ……伊礼智

空間に融け込む壁のような開き戸
/廊下をスッキリ機能的に見せる引戸
/家族の距離を縮める引戸 ほか
 ……関洋

木製ルーバー折戸のスクリーン
 ……有田佳生

外部への開き方を調節する木製ルーバー+木製サッシ
 ……田井幹夫

室内の温熱環境を調節しながら光を取り入れるポリカーボネート障子
 ……中村潔

デザイン性も兼ね備えた通気する木製サッシ ほか
 ……キマド+m-SlTE-r

連載
世界の集落めぐり 第12回
オーバーティリアッハ:オーストリア、東ティロル州
 文・写真……太田邦夫

伝統技法を活用した自由な現代木構法 第11回
曲線材利用の可能性(その一)
 ……増田一眞


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