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『住宅建築』7月号は、古いものを磨いて輝かせることと、新たな技術を建築に生かすことの両面を追いかけます。


既存の建物の一部や躯体などを残しながら求められる条件に合わせて作り直すことを、改修と一括りに呼びますが、その実態は様々で、本当は新築したいけれど予算や法規制の問題で改修にせざるをえない場合と、既存の建物を愛しながら新たに手を入れる場合とでは、自ずと結果も違ってきます。今回主に取り上げるのは、後者の方。
吉村順三が設計した住宅から旧農家まで、時間を積み重ねたもののみが放つ輝きを丁寧にすくい上げながら、その生命を持続させるべく設計者が尽力した成果とその手法を紹介します。


第1特集「再生術」より。「伊丹の長屋」(設計=阪田弘一+京都工芸繊維大学阪田研究室+山隈直人/Kt、写真=市川かおり)
 



いまや町場にあふれている構造用集成材。確かに木造住宅に性能評価が求められる時代にフィットするのは、無垢材ではなく、集成材なのでしょう。しかし、せっかく集成材を使うなら、数値やコストでは括れない、集成材にしかできない魅力的な使い方はないだろうか。
そんな発想で取材した4つの事例と、自らも集成材に取り組んできた建築家・趙海光さんによるレポートで、いったい構造用集成材に何ができるのかを考えます。


第2特集「構造用集成材のポテンシャル」より。「Y-HOUSE」(設計=山嵜雅雄建築研究室)
 



新進気鋭の建築家に焦点を絞り、そのディテールを紹介するシリーズの第2回目は、「ふじようちえん」で08年度建築学会賞を受賞された手塚建築研究所の手塚貴晴さんと手塚由比さんの開口部のディテールを紹介します。「参道の家」の海に向かって開放された空間と開口部のディテールをはじめ、「ふじようちえん」の円形レール上を走る258本の木製建具や、「回廊の家」の四隅開放の引違い戸など、最近作を中心に各物件の開口部詳細図を掲載し、現場監督さん、建具職人さんの話を交えて、手塚建築研究所のデザインとその手法に迫ります。


ディテール選集シリーズ「手塚貴晴+手塚由比 開口部のディテール」より。「ふじようちえん」
 


   



 


 


2008年7月号 目次

第1特集
再生術――持続する生命への労り

吉村順三設計〈湘南茅ヶ崎の家〉1967の改修
――40年後の新たなスタートライン
 樋口善信

京町家に暮らしを合わせる
無量子庵
 馬場徹+麻生圭子

長屋を工芸家の工房兼住居に
伊丹の長屋
 阪田弘一+京都工芸繊維大学阪田研究室+山隈直人/Kt

大きな屋敷の一部を改修し、住み継ぐ
二軒屋の家
 松本匡弘建築設計事務所

土蔵を残して農家住宅を新たにつくり直す
川越の家 TERRA
 峯田建+恩田恵以/スタジオ・アーキファーム

〈リフォーム〉ではなく〈再築〉という全面改修の手法
想いを継ぐ別荘
 鈴木悟/BeWell

岐阜県立森林文化アカデミー・発
木造建築病理学
 ……三澤文子

第2特集
シリーズ・在来技術をカスタマイズする6
構造用集成材のポテンシャル

集成材は〈在来〉になったのか
 ……趙海光

LVLを在来構法に溶け込ませる
箱の家121 小野邸
 難波和彦+界工作舎

集成材菅柱を利用した木質パネル構法
Y−HOUSE
 山嵜雅雄建築研究室

木質半剛節ラーメン構造ののびやかな空間
HOUSE wt
 河内真菜/河内建築設計事務所

国産杉集成材のログハウス
姪浜・積み木の家
 矢作昌生

ディテール選集
シリーズ第2回
手塚貴晴+手塚由比 開口部のディテール
参道の家 他
 手塚貴晴+手塚由比/手塚建築研究所

作品
環境を読み解く――中野晶子の住宅2件

景色を創り出す床レベルと窓の配置
浮き墨橋の家
 本庄晶子建築設計室/中野晶子

八ヶ岳山麓の厳しくも豊かな自然と共生する
桜結びの家
 本庄晶子建築設計室/中野晶子

連載
世界の集落めぐり――個性豊かな場所を求めて 最終回
ナザレ:ポルトガル、レイリア県
……太田邦夫

伝統技法を活用した自由な現代木構造 第13回
曲線材のつくり方(その一)
……増田一眞

記事
平成20年度東京建築士会〈住宅建築賞〉報告

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